ICT/IoT専門アドバイザー活用のオススメ!~「ICT/IoT活用」訪問支援事業活動報告~

ICT/IoT専門アドバイザー活用のオススメ!~「ICT/IoT活用」訪問支援事業活動報告~

 働き方改革への対応が求められる中、ICT/IoTの導入により生産性の向上を図ることは、企業の競争力の強化のみならず、人手不足対策にもつながり、働き方改革を推進するうえで大変重要であることから、石川県繊維協会では、令和元年度、石川県情報システム工業会のご協力を得て、ICT/IoT活用」に向けてアドバイザーを派遣する訪問支援事業を実施いたしました。
 8月に「働き方改革&ICT/IoT活用セミナー」を開催するとともに、その後2020年2月にかけて、7企業に対し、延べ18回の訪問支援を実施いたしました。

↑ 案内チラシ

 訪問支援を受けられた企業からは、「どこから手を付ければ良いかわからなかったが、アドバイザーに入ってもらうことでICT化の道筋が見えた」「システム導入に向けての検討を進めることで、業務の見直しにもつながった」「ICT/IoT 活用のためには、まずは経営戦略について考える必要があることが理解できた」といったご意見・ご感想が寄せられました。

 

 その中から、能美市の㈱アサヒゴウセン様への訪問支援についてご紹介させていただきます。
㈱アサヒゴウセン様は、旭化成の仮撚糸生産部門としてS39年に設立後ニット部門を拡充し、仮撚・複合加工糸、及び丸編生地の製造をされている会社です。今回の訪問支援では、「会社の体質強化」の為に生産管理システムの再構築をお考えとのことで、アドバイザーから助言・提案をしていただきました。
 1回目の訪問では、システム構築の前段階として、推進方法、手順、ポイント・留意点等に関して相互に検討・意見交換し、改善策検討を進め、実態把握と問題・課題摘出のフローチャートの整備、具体的な行動と目標設定・成果獲得の行動計画(ロードマップ)策定まで二人三脚で進めました。

↑ 2回目訪問の様子

 2回目の訪問では、ご担当者の田中専務様に作成いただいた「ロードマップ」をもとに、近年の厳しい企業環境をふまえて、「最重要課題」の検討とそのために必要な施策・企業努力について意見交換を実施し、第3回の訪問では、計画実現の為やるべきこととして「既存顧客・既存市場と新規顧客・新規市場の分析」をはじめ、「SWOT分析」、「顧客-商品マトリックス」の作成などについての具体的な手順や、これらの段階を経て「中期経営計画」策定のアドバイスをさせていただきました。
 これを受けて㈱アサヒゴウセン様は、今後、具体的なシステム構築の段階へと進んでいかれます。

↑ 会議机いっぱいに広がるフローチャート

 

 アドバイザーの方から、「経営陣が一丸となって前向きに業務改善に取り組んでいる会社は、専門家が入ることによって道筋が見え、手順と段取りが提示されることで前進できるようになる。IoT化を進めたいが良く分からないという会社ほど、今回のような事業を利用して我々を頼ってほしい」とのお話がありました。
 今回訪問させていただいた㈱アサヒゴウセン様は、会社の将来を見据えて前向きに企業努力を続けてこられており、このような企業様がたくさん増えることで、北陸の産地を盛り上げ、業界全体の向上につながればと感じました。

↑ 今回取材させていただいた田中専務様